価格が上がらないのは“売る人”のせい?
はじめに:ありがちな誤解「売られるから下がる?」
「長期保有者が増えれば、ビットコインの価格は上がる」
そんな意見を見かけることがあります。
あるいは、「売る人がいるから価格が下がるんだ」と、どこか責めるような口調の投稿も。
気持ちはわかります。
でも、それって本当に“正しい理解”なんでしょうか?
今回は、そんな思い込みに触れながら、価格の本質について考えてみます。
「誰かが売った」だけでは価格は下がらない
たとえば、ビットコインが1BTC=500万円のとき。
誰かが500万円で売りたいと思っても、その価格で買いたい人がいれば──取引は成立します。
でも、もし「499万円でしか買いたくない人」ばかりになれば?
売り手は仕方なく値下げして売るしかなく、そこで価格は“下がる”のです。
つまり、「売ったこと」が価格を下げたわけではなく、
「その価格で買いたい人が減った」ことが、価格変動の本当の理由なんです。
価格が動くのは、“思い”じゃなく“注文”があるから
「もっと上がると思うから、買いたい」
「いつか下がるから、今は買わない」
どちらの気持ちもわかります。
でも、価格が動くのは──気持ちではなく、「その価格で実際に注文が出たとき」なんです。
「100万円で買いたい」と思っている人がいても、
誰も注文を出さなければ、その“思い”は市場に影響を与えません。
思っているだけでは、価格は変わらない。
それが市場のルールです。
「売られないこと」が価格を上げるわけじゃない
たしかに、長期保有者(HODLer)が売らずに持ち続ければ、
市場に出回るビットコインは減ります。これは事実。
でも──
誰も売らなかったら、誰も買えません。
誰も買えなければ、価格は動かないんです。
価格を押し上げるのは、「今より高くてもいいから買いたい」という“買いの熱”です。
つまり、「売られない」ことは価格の安定要因にはなっても、上昇の要因とは限らないのです。
自分の判断で、市場と向き合うということ
誰が売ったとか、誰が買わなかったとか、
そういう話に正解はありません。
市場には、いろんな判断が交差しています。
価格は、それらがぶつかり合った“結果”として生まれるもの。
大事なのは──
「自分はどう向き合うか」という視点。
価格を見て焦るのではなく、
仕組みを知って、心を整えて、判断軸を持つ。
それが、ビットコインを“投資”として考えるうえでの、最初の一歩だと僕は思っています。
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